氷獄


2019年11月03日 読了
10年務めた会社を辞め、弁護士になった日高正義が初めて担当する事件は、2年前に手術室での連続殺人として世を震撼させた「バチスタ・スキャンダル」だった。弁護を拒否され、控訴もせず、減刑も求めずにいる氷室と、日高は取引をする。

 田口も白鳥も登場するが、今回は彼らは脇役。
自らの信念に基づいて行動しているはずの日高だったが、一枚も二枚も上手の面々に振り回されていく。
事の起こりからずいぶん長い時間がたっていたため、記憶がおぼろげ。
さらに外から見た世界だったためか、現実味が薄く感じてしまった。

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隠居すごろく


2019年11月01日 読了
巣鴨で六代続く糸問屋の嶋屋。店主の徳兵衛は、三十三年間待ちに待った隠居の日を迎える。
嬉々として皆に通達し、隠居宿を探し、やっと静かな生活ができると思っていたのもつかの間、あっという間に飽きてしまう。
そんな時、孫の千代太が隠居屋に訪れた時から生活は一変する。

 徳兵衛のうんざりした顔が、思案顔に代わり、良い思い付きをした時の顔、思い通りになった時のしたり顔、そして心がほこほこした時の嬉しい顔。
色んな表情が飛び出してきて次は何だとわくわくする。
子供の、思いもかけない行動が、思いがけず充実した隠居生活に結び付き、大きな問題にも次々と光が見えてくる様子が楽しかった。

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ガラスの城壁


2019年10月24日 読了
中学生の悠馬は、父がネット犯罪の冤罪を着せられ、心労の末死を選んだことがきっかけで、苛められるようになった。
そんな時、転校生の暁斗だけが味方になってくれ、父を陥れた真犯人を探すことを悠馬に進めた。

 いつになったら本題に入るのかと思うような薄くて意味のわかない話のまま、終わりになる。
唯一クラスメイトの涼音だけが生きているような感じで、どれもが夢の中のようにあやふやに進む。
そんなオチってあるのかと、結論となる頃にはガッカリするだけだった。

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