少年検閲官


2009年05月06日 読了
 書物の所有を禁じられた世界。書物を隠し持つ者はすべからく駆逐されてゆく。人々は「犯罪」の意味すら知らない。

 失われた「ミステリ」を求めて旅をする少年と、書物の検閲をするために育てられた少年たちの探偵物語。

 物語半ばまで、全くテーマが見えなかった。何に注目させたいのか、いまひとつ主旨がわからないまま半分まで過ぎて、やっと検閲官登場。タイトルにたどり着くまでが長すぎる。しかも主人公は検閲官じゃない。確かにミステリで、事件もあって解決もするけど、いまいち盛り上がりに欠ける。
 事件の真相は納得できておもしろいけど、半分で済んだんじゃ?

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百万の手


2009年05月05日 読了
 作者初の現代小説。「しゃばけ」シリーズが面白かったので読んでみました。
なかなかに現実離れしていて、その辺は妖怪モノと通じるところがあるけれど、こんな事件は現実にありそう。少し重いテーマだった。
 きっかけになる登場人物の中途半端な扱いにちょっと困惑した。
 
 それでも全体を通して読みやすい文章で、一息に読み進められた。なかには酷評してる人もいるけど、私は充分満足できました。

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永遠の森―博物館惑星


2009年05月04日 読了
 どうにかして月を地球と同じ軌道上にもってこれたら住めるようになるんじゃ。。。

 昔、こんなことを考えていました。

 この本はそんなイメージに似ていたので思わず手に取った。
「地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館」
女神の名を冠した各部署、脳内手術によりデータベースに直接接続できる主人公たち博物館職員。

 先端技術と美術品という、新旧の美をうまく取り混ぜた作品。でも短編集で解決も早いため、ちょっと物足りない。
 最後の章が美しく締められているのでまとまった1冊となっているが、この設定で長編だとかなりおもしろいものが出来ると思う。

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星の綿毛


2009年05月02日 読了
 叙情SF小説。大地が砂に覆われている世界、7本の脚を持つ蜘蛛のような甲殻生物に乗り、マチからムラへとドウグを売りに来る交易人。ムラではハハと呼ばれる銀色の巨大な装置が種をまき、それに寄生するように人々が暮らす。
 SFの世界にどっぷりとつかることができ、現実を忘れ一時、美しい夢を見た気分です。注目すべき人物が誰なのかをさらりとかわしながら淡々と語られる文が印象的です。

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心霊探偵八雲 1


2009年05月02日 読了
 ライトノベル的、1冊2時間くらいで読める。
片目が赤く、その眼のせいで幽霊が見えてしまう主人公の少年。
持ち込まれる様々な事件。その過程で明らかになってくる彼の出生や過去と、そこからの成長。
 前からずっと気にはなっていたけれど、どうも子供っぽいような気がして避けていたシリーズ。思いのほかおもしろかった。
 赤川次郎、石田衣良の次くらいに楽に読める。人物描写や設定、ストーリーに違和感や疑問を残さず、すっきりと読み終えることができるのでお勧めです。

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ユグドラジルの覇者


2009年05月01日 読了
 第26回横溝正史ミステリ大賞、大賞受賞作。
 部屋の中でビール片手に胡坐を組んだ一人の男。それがネットを通して世界中を相手にする。世界樹という名にふさわしい広がりをもった作品。北欧神話のユグドラシルやラタトスクという言葉に惹かれて手に取っただけの作品だったけれど、これほど後を引いたものは少ない。
 説明のくどさや結末についてはいろいろといわれているが、デビュー作であることを鑑みれば充分な出来だと思う。

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火星ダーク・バラード


2009年04月30日 読了
 第4回小松左京賞受賞作品。
私の地元、姫路在住の作家らしい。
火星を舞台にしたSFもので、これほどの量があるにもかかわらず、1日で読めてしまった。最初はこまごまと場面が移り変わり、わかりにくい面もあったが、しだいに取り込まれるような吸いつかれるような感覚に陥りながら時間を忘れていった。主人公は1匹狼的な、主人公にしやすいキャラクターだけど、個性がちょっと薄いかな。でも、この人の本をもう少し読んでみたいと思わせてくれた。

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火星ダーク・バラード [ 上田早夕里 ]
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しゃばけ


2009年04月29日 読了
テレビドラマにもなった、妖怪と大店の若旦那の周りで起こる日常の物語。
 この人の文章はさらっとしてて読みやすい。しかし、脇役や単発登場の人物の書き分けに少し難ありで混乱する場面もあった。
 楽に読めて、軽快に進み、一見情けない主人公がなぜだかカッコイイ。その場の様子が自然と頭に浮かんでくるため不思議な世界も違和感なく受け入れられる。ちょっと読書したいなと思った時に最適なシリーズ。

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ぼくが愛したゴウスト


2009年04月28日 読了
パラレルワールドへ迷い込んだ少年の物語。
かすかな違和感からわきあがるあらゆるものへの不信感。それが募り、空気にすら違和感を覚え始めるような不思議な文脈の中で語られる「心」や「愛」や「自分という存在」。ややありふれた感はあるものの、作者はこれをどう解決させていくのかという好奇心が先を急がせた作品。しかし、物語という点でいえば、解決はしない分私にとっては消化不良。その余韻を楽しめるか否かで評価は分かれるだろうけど、現実ではこうゆう「しょうがない」事態のほうが多いんだろうなぁと思う。理由も根拠も解決法もわからないけど、受け入れるしかないという、現実。

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南河国物語 暴走少女、国をすくう?の巻


2019年11月15日 読了
はるか昔のとある国、天下に名を轟かせる名将軍に似ていたことから起こった出来事で囚われの身となった飾り職人の賢良と、その娘・紅玉。
父は小心者なのに娘はたいそう肝が据わっており、その度胸と知恵で国を振り回す。

 読み聞かせか紙芝居かというようなお話。
何とも都合が良く、15の小娘に皆振り回される様が滑稽。
きちんと辻褄があっているため稚拙に見えないが、幼い子向け。

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南河国物語 暴走少女、国をすくう?の巻 [ 濱野 京子 ]
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