神奈川宿の茶屋・雷屋では、隠れて宿屋もやっている。
割高にもかかわらずやってくる客といえば、訳ありやおかしな人ばかり。
ある日、女中をやっているお実乃の目の前で、客が突然死んだ。年寄の客だったために事件とはならなかったが、四日後にはまた二人、泡を吹いて死んでしまう。
お実乃は不審を抱き、原因を探り始める。
不穏な雰囲気がずっと付きまとう話だった。
おかげで読んでいても気分が悪くなり、誰も信用できないし誰の気持ちもわからない。
締めの章となってようやく明るい気分になって終われたが、どうも不信感が残ったままになってしまった。
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