鳥居の密室: 世界にただひとりのサンタクロース


 ある喫茶店で、たくさんある時計の中で、たった一つの振り子時計だけが、なぜか毎日動き出す。
その謎を、いくつかのヒントをもとに解き明かした御手洗は、10年ほど前に起こった殺人事件のトリックと同じだと言った。
 それは完全な密室となっていた家に、サンタクロースが少女にプレゼントを置き、母が殺されていた事件。

 同じような現象を解き明かす話はいくつかあるため、すぐに原因は予感できるが、それが昔の殺人事件まで解決していくとなると面白くなってくる。しかし、それぞれが最後まで真実を隠していたくらいの大きな訳が、解決されていないまま。
真実を見つけたら、後はそれぞれで納得するように勝手になんとかしろと突き放された感じ。