就職相談員蛇足軒の生活と意見


 研究者志望のシーノは就職に失敗し、職安に通う日々。
ある日目についた「急募 秘書1名」の張り紙に惹かれやってきた蛇足軒というところ。
嘘術という怪しげな道の家元だという。
すぐさま採用となったシーノは、雇い主のもう一つの顔である、就職相談員の仕事を手伝うことになる。

 現代のパラレルワールドのような、微妙に違ったところのある現代。
やってくる求職者も変わった人(?)ばかり。
彼らに適切な職業を紹介するというのは面白い視点だが、後半は失速。
独りよがりで飛び出し、ホームレスのような生活をしてみたり、これまでを簡単に捨ててしまい、人にも頼らず、本来の話からどんどん遠ざかる。
ちょっとしたトラブルや失敗で絆が深まるのとはどこか違い、気がそがれてしまった。