2015年06月22日 読了
未練を持って死ぬと鬼となり、水は汚れ、井戸は錆び、やがて水源は枯れてしまう。
そのものの未練を断ち切り、黄泉へと旅立たせる役目を負ったのは二人。一人は夜目が利き、一人は鳥目である。
不思議な一族の因縁を嫌い、医者になって目の研究をするのだという若者がいた。
だが、水が濁ったと電報を受け取れば飛んで帰ることになったのは、もう一人の役目の者と顔を合わせてしまったからだった。
神話の世界に閉じこもったままのような一族。どこかで大事に隠されているものを見たような気分になる。
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