2015年01月08日 読了
奈良の薬師寺で働く明日香は、地名マニア。
古い地名にはその土地の由来や意味があり、それらを歴史と重ねることで見えてくる事実に心躍らせている。薬師寺の僧である景戒が書いた『日本霊異記』が愛読書。
そんな明日香が、家の前のクスノキに住み着いたカラスに導かれ、持ち込まれる謎や相談事を解決していく短編集。
古い地名にはそれなりの歴史があり、それだけでとても興味深いけど、日本霊異記や史実を知っていればもっと楽しめたかもしれないと思った。
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読書と編み物の記録
2015年01月08日 読了
奈良の薬師寺で働く明日香は、地名マニア。
古い地名にはその土地の由来や意味があり、それらを歴史と重ねることで見えてくる事実に心躍らせている。薬師寺の僧である景戒が書いた『日本霊異記』が愛読書。
そんな明日香が、家の前のクスノキに住み着いたカラスに導かれ、持ち込まれる謎や相談事を解決していく短編集。
古い地名にはそれなりの歴史があり、それだけでとても興味深いけど、日本霊異記や史実を知っていればもっと楽しめたかもしれないと思った。
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2014年12月23日 読了
もう何年も前の、あの事件の時、実は。。。
古い思い出の中、とっくに解決した事件や問題が、ふとしたことで揺り起こされる短編集。
もう何年も前の出来事だからか、語る者たちの口調は総じて優しい。
どうしても守りたいものだったり、約束だったりが、次第に解き明かされ、結末の一歩手前で終わる。
その後の想像と余韻にしばらく浸れる一冊。
この作者の今までの本とは印象が違い、静かで落ち着いた雰囲気。
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2014年12月22日 読了
大翔製菓・広報宣伝部に異動した山田助。
その日から彼は会社の「ゆるキャラ」になった。
新製品「ガリチョコバー」のPRをするために、マスコットでもキグルミでもなく、一人の社員がそのままゆるキャラとなった。
しかしその戦略はハズれ、失敗となる。
この作者は、いつも思ってもみない方法で会社を動かす方法を出してくる。
今度も普通ならあり得ないことになっていき、PRは失敗したがその人選はアタリとなる。
仕事に向ける気持ちは人それぞれ。でもこんな風に、周りを動かせる人がいるときっとやりがいのある仕事になるんだろう。
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2014年12月21日 読了
変わり者の中将に気に入られ、怪しげな噂のあるところへは必ず連れていかれる小心者の主人公・宗孝。
今度は、12人いる姉のうちの一人が山中で「踊る茸の精」を見たと聞き、紅葉見物も兼ねて現地を訪れることにした二人。
今回は短編ながら少しづつ繋がっており、不思議さというより謎が大きくなっている。
12人もいる姉たちの個性も、だんだんと描かれてきており、面白さが増してきた。
そして毎回、鮮やかな表紙がとても綺麗で目を奪われる。
想像するだけでかわいい「キノコの物の怪」が見てみたくなる。
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2014年12月17日 読了
桜宮市にある未来医学探究センターで、日々大事な仕事をこなしつつ暮らす佐々木アツシには、5年間の空白がある。
人類初のコールドスリープを体験したアツシが今見守るのは、アツシの後でコールドスリープに入った涼子さん。そしてアツシを社会に適応させるための師匠として、彼に様々な課題と力をもたらす西野さん。
亮子さんの目覚めが近づいたことでアツシの周りが賑やかになってきた時、西野さんはアツシにある大きな決断を迫る。
『モルフェウスの領域』の続編。バチスタのメンバーとはあまり関係はないが、近未来の話であるため別物として楽しめる。難しそうな話も出てくるが、基本的に学園ものであっさり読める。
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2014年12月15日 読了
<獅子星王朝>の第2妃カトラッカは、その美しさと優しさで人々を虜にしていた。
彼女は鏡の占人で、鏡をのぞきこめば過去と現在が見える。
人心も政治も操る彼女は、ただ一つ<未来>を見せる鏡を手に入れるために、3人の王子を罠にはめる。
『太陽の石』と同様の流れ。
あちらは長い兄弟げんか、こちらは永遠に自分を認めない美女。
鮮やかな景色の描写は相変わらず素晴らしいが、今一つのめり込めないままだった。
引き込み方が前より弱い。
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2014年12月13日 読了
豚足、ハム、カツなど、肉の部位をネタにした短編集。
始まりはどれも不穏だったり不満だったりと負の雰囲気から始まるため、あまりいい気分にはならないが、最後でコロリと入れ替わる。
その変わり身の早さは楽しかった。
しかしそれがあまりにも短い間なので、後味を変えるほどには至らず、読後感は負のままなところがある。
この人の他の作品にはない毒があった。
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2014年12月11日 読了
脱法ドラッグ、ノマドワーカなど、どこかで聞いたことのある事件がきっかけとなってマコトたちが動く。
タカシの氷の結晶のような冷酷さも健在で、懐かしくてうれしくなった。
でも今までなら、タカシたちのちょっとやりすぎなお仕置きもある意味解決になっていいと思っていたけど、タイトルになっているヘイトスピーチの話は後味が悪かった。
季節のめぐりを感じられる終わりで結末は良かったが、ネタになるものが不愉快な事件だと感情も引きずられる。
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2014年12月09日 読了
ユーシスが竜退治に向かった後、女王候補のアデイルは身分を隠して東方の国トルバートへ潜入する。
政治の罠へと飛び込んでいったアデイルは、ユーシスとは違った戦いに向かい、今までなら決して出会わないような出逢いと、命を懸けた取引をする。
フィリエルがルーンを探して旅をしている間の出来事。
この旅で彼女は大きな決意をし、馬への向かい方も覚え、そしていい出会いもあった。
女王候補としては大きな成長だろう。
特別短編の猫の話は微笑ましく、こちらはユーシスに決心を促した。
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2014年12月05日 読了
北千住でカフェを営む主人公の弓島大。
恋人が死に、犯人と間違われて誤認逮捕された事件から9年後、その時私を救ってくれた恩人で、常連客でもある三栖警部が失踪する。
その頃、過去の事件にかかわっていた女子大生のあゆみの友人もまた、姿を消す。
前作は読んだけれど覚えていなかった。
辛い過去を持っている登場人物たちだが、それゆえ信頼は大きい。
強い思いを持っていながらも穏やかに語られるために、大きな事件でもどこか救いがある。
池永 陽の「珈琲屋の人々」と同じ感じ。でもあちらの方が印象に残る。
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