16品の殺人メニュー


2018年06月30日 読了
 前菜、スープ、メインからデザートまで、料理のフルコースを殺人メニューの献立で集めた一冊。

 アシモフだけじゃなく、いろんな作家たちの紹介と共に並んだ殺人メニューは、訳者が同じせいか、作者が違うという気がしない。
そして同じような手口もあったりする。
どれかが印象に残るというよりは、すべて通して一連のドラマのよう。
気になる作家を今後探してみよう。

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よっつ屋根の下


2018年06月16日 読了
 勤め先の病院の不正を告発し、地方に飛ばされた父。
東京を離れるのは嫌だと頑なに拒む母。
息子は父に、娘は母についていくことにして、それぞれの生活が始まる。

 家族がバラバラになる危機を、それぞれはどう思い、どう折り合いをつけていくのか。暗い話題が多い割に、しんみりしないでするする読み進められた。
相手の事が決して嫌いではないために悩む。
章ごとに家族それぞれの目線から見た家族が描かれているため、同じ話題でも飽きない。充実した気分で終われた。

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KZ’Deep File 青い真珠は知っている


2018年06月13日 読了
 伊勢志摩の海で30年まえ、青い真珠と1人の海女が消えた。
それ以来、海女の娘は口をきかず、ただ波間に漂う花弁のように暮らしていた。
 
 夏の間、海洋研究所へ行くことになった和彦と、なぜか集まってきた上杉と若武も合流し、消えた真珠と事件の謎を解く決意をする。

 少女の気持ちはわかったからもう少女小説は書かないと言った作者が、今度は少年の気持ちをわかろうとしているのか。
ちょっとこっぱずかしいような出来事もあるが、少年が対象だからだろう。
事件を推理するというより執念で解決した。

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放課後ひとり同盟


2018年06月13日 読了
 友人と二人、デパートの屋上でひたすら空を蹴り上げる男に会いに行く。
その男は、空から降って来る「不幸」を落とさないよう、空に返すために蹴っているのだそうだ。

 人生に悩む10代の生徒たちを主人公にした悩みを、それぞれの視点からちょっと滑稽な表現で描く。
どんなに切ないことでも、悩みも、まるでたいしたことがないという口調で描かれるが、何度も繰り返されることで重大さが協調される。
彼らの繋がりを考えながら読むと楽しい。

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警視庁文書捜査官


2018年06月08日 読了
 警視庁捜査第一課科学捜査係文書解読班。
捜査資料の整理と分類に明け暮れる毎日の主任・鳴海理沙と、配属されたばかりの矢代朋彦。
ある日、杉並区で起きた殺人事件で初の出動命令が下った。

 筆跡や書かれた文章の内容から、書いた人の人となりや状況を読み取り推理する理沙。
その推理の様子は興味深いけど、事件が複雑でわかりにくい。
ただ、ドラマよりは数倍面白い。

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にゃん! 鈴江藩江戸屋敷見聞帳


2018年06月05日 読了
 三万石の鈴江藩へ奉公へ上がった呉服商の娘・お糸は、すぐに正室の珠子が人外であることに勘づく。
呑気な殿を蹴落として当主に成り上がろうと目論む先代当主の弟から、執拗に嫌がらせを受ける珠子を守り通せるのか。

 早々にうんざりした。
ライトノベルというよりも子供向け。
お糸の気風の良さを表すのに江戸っ子の言い回しが使われているが、それが似合ってないし読みにくいしテンポを外す。
珠子の本性がさして魅力的ではない。
あげく、見せ場の盛り上がりも締まりがなくてありきたり。
個性的な脇役にだけは相応の役割があったか。

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銀河鉄道の父


2018年05月31日 読了
第158回直木賞受賞
岩手県花巻に生まれた宮沢賢治。裕福な家に生まれたが、家業を嫌い、東京と実家を行き来しながら曖昧な夢を追った青年時代。
そして、やっと自分の道を見つけ、それに没頭する日々。
若くして逝った文豪の生き様を賢治の父の目線で見る。

 常に親の金を当てにする賢治が、幼く見える。
明治の時代の父が、まだ小さい賢治の病気につきっきりで看病したという話が妙に印書に残っていたせいか。
父を主人公にしたおかげで、賢治を英雄の様な扱いにはせず、迷いの多い一人の若者として見れた。
思いのほか楽しい時間だった。

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ホテルローヤル


2018年05月28日 読了
 湿原に建つラブホテル。
従業員も客も、知れば複雑な事情を持っていた。

 そのホテルを背景に、いくつかの人物を掘り下げた短編。
なんだか後味の悪いものが最初にあったせいか、だんだんその場所に同情心が芽生えてくる。
静かに海の底に住む生き物を観察している気分。

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花ひいらぎの街角 紅雲町珈琲屋こよみ


2018年05月25日 読了
 ある日届いた小包に、半世紀前の記憶がよみがえる。
それは旧友が書いた短い小説だった。
それを活版印刷で自費出版しようと思い立った草は、印刷会社を訪ねる。

 行った先の印刷会社で漏れ聞いた情報漏洩の噂が身近なところまで飛び火してヤキモキさしたり、近所の印刷屋では、自殺したという女性の行動に疑問をもったりと、お草さんは忙しい。
でも、ふとした日々の行動や思いがじんわりと沁みて、その間に考えがまとまるような間がいつも心地よい。

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花ひいらぎの街角 紅雲町珈琲屋こよみ [ 吉永 南央 ]
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とるとだす


2018年05月23日 読了
 江戸で名の知れた寺の高僧が、薬種屋たちを集めて話があるという。そのさなか、突然父の藤兵衛が倒れた。
どうやら、いくつもの薬を同時に飲んだらしい。
 
 藤兵衛が死ぬかもしれない。
そんな事態になったらさすがの若だんなも寝付いていられない、と動き出す。
今回は若だんなもいつもより危ない目に合う。
いつものほのぼのさがなかったためか、妖たちも活躍する割に印象が薄い。
毎回一つはしばらく余韻の残る話があるのに、今回は死にかけた印象しかなかった。

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とるとだす [ 畠中 恵 ]
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