きまぐれな夜食カフェ – マカン・マラン みたび


2019年06月21日 読了
 ドラァグ・クイーンのシャールが夜だけ気まぐれに開くカフェ「マカン・マラン」。
縁があれば開いている時に行ける店。
そこへ今回やって来る人は、味がわからなくなった料理人や、ネットで批判ばかりしてしまうOL、そしてシャールの後輩だったけど、不遇な結婚をしてしまった女性。

 シャールの過去が垣間見えた今回。客としてやってくる人たちも今回は今までより深刻な感じがした。じんわり温まる話ばかり。私がこんなに穏やかに人を見れるようになるには、どれだけかかるだろう。

女王さまの夜食カフェ – マカン・マラン ふたたび


2019年06月18日 読了
 手術を終えて戻ってきた「「マカン・マラン」の主。
そこへはまた、夜な夜な人生に迷った人が訪れる。
 ボスの派遣社員に取り込まれ、同意の相槌だけが上手くなった派遣OL。夢を追いながらも負い目を感じていた青年。そして今回はシャールの同級生の柳田の悩みも。

 かかわった人たちはやっぱり常連となる。
「マカン・マラン」は知ってしまったら通ってしまいそうだ。
どうなっても否定されないけど自分の決断、ができる覚悟も出そう。
どの話も、流れは解ってしまっているのに見逃せない。

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お茶壺道中


2019年06月16日 読了
 宇治から江戸へと、最高のお茶を将軍様へと運ぶ行列。
それを見るのが何よりの楽しみだった仁吉は、日本橋の葉茶屋・森山園の奉公人となる。
 大旦那の太兵衛に目をかけられていたが、そのせいで孫娘のお徳からは厳しい目を向けられていた。そんな仁吉が、旗本の阿部正外の屋敷を訪ねることになり、その出会いが彼の人生を大きく動かす。

 お茶が何よりも好きな仁吉の素直な熱意が、成長とともに視野を広げ、森山屋の危機を幾度も救う。お家騒動や逆らえない時世の動きに立ち向かう姿がたくましい。最後にはホッとできる。

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逃げ出せなかった君へ


2019年06月13日 読了
 ブラック企業に入社した三人の同期、大友、夏野、村沢は、心身ともに疲れ切り、それでも逃げる術を見つけられなかった。
そんな中、ネット中継で夏野が自殺する。

 読み進めるのが辛いくらいの内容。
夏野の自殺で一転、3人が人生で一番うまいビールを飲んだ居酒屋へ視点が移り、そこからまた次へと、夏野から広がる人間模様がつながっていく。
一つ一つが心をキュッと締め付けるような出来事。
切ない内容ばかりだけど、一番うまいビール、が心を満たすアイテムとして印象的な余韻を残していた。
 ドラマ原作大賞受賞作「被取締役新入社員」の作者。

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失楽園のイヴ KZ Upper File


2019年06月12日 読了
 数学の天才と言われていた上杉の学校にやってきたチューターの上田絵羽。
彼女はある目的のために、上杉に声をかける。
「パートナーになってほしい」

 高校生男子に、34才の絵羽は強い意志で迫る。
生徒たちは皆ひとたまりもないだろう。その理由もだんだんわかって来るが、荒唐無稽すぎて真実味がない。
さらに根拠もない推察が延々と続くため、しらけてしまう。
伏線として出た言葉や行動もよくわからないままで、納得いかない疑問だけが残った。シリーズのわりに、少しも印象に残っていないため、主人公のことさえ忘れていた。

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アシモフのミステリ世界


2019年06月09日 読了
 短編集。主にアース博士シリーズ。
いくつもの機会にバラバラに書かれたものを改めて集めてきたもので、それぞれにアシモフ自身の解説がついている。

 アース博士のものは面白く読んだ。
それ以外は専門的な蘊蓄が多すぎて飽きるものもあったが、解決へはスッキリと向かい、その光景を想像するのが楽しかった。

夏を取り戻す


2019年06月03日 読了
 夏休みだというのに、ほとんど毎日塾通いになった、小学4年生の仲良し5人組。
彼らが突然、一人ずつ行方不明になっては4日後に戻ってくるという事件が続いた。
 都内の古びたビルにある月刊ウラガワの編集者である猿渡は、その事件を調べる佐々木というフリーの記者と共に連続失踪事件を調べることになった。

 子供たちが考えた他愛のないトリックと悪戯が、大人たちに挑戦状を送ったというだけの事だったはずが、その夏の大事件にも関連する大きな謎を解く羽目になる。最後はいくつもの驚きが重なり、時間を忘れてあっという間に読めてしまった。

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マカン・マラン – 二十三時の夜食カフェ


2019年05月31日 読了
 路地裏にひっそり夜だけ現れる夜食カフェ。
そこは、悩みを持っていたり疲れ切った人にだけ縁をつなぐ。
そして出されるメニューは、心を温かくするものばかり。

 早期退職の対象となった女性の、人生を変える選択をする助けになり、手料理を食べなくなった中学生男子、仕事に未来が見えなくなったライターに、店の土地を売れとやって来る地上げ屋にまで。
 店主の料理に癒されていく様子が、押しつけがましくなくゆったりと流れてくる。料理に興味がなくても、おいしそうなイメージは充分つくれた。

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図書館司書と不死の猫


2019年05月30日 読了
 愛妻を亡くし、ケンブリッジの図書館を定年退職したばかりのわたしのところに、ある日妙なメールが送られてきた。
いくつかのファイルが含まれていたメールを開き、好奇心を持ってしまったために、わたしは奇妙な出来事に巻き込まれる。
 それは九つの命を持った、しゃべる猫の話。

 ミステリーでホラー。念じるだけで相手を殺せる力を持った猫なんて、想像しただけで怖いけど、じっと見つめてくる猫の不気味さがよくわかる。
構成がばらばらな気がするのもわざとのようで、それが一層予測のつかない未来を感じさせる。
時代と人物が入り乱れるので少し混乱した。

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図書館司書と不死の猫 [ リン・トラス ]
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かわたれどき


2019年05月28日 読了
 町名主のお気楽跡取り息子である麻之助は、妻のお寿ずを亡くしてからは独り身のまま、跡継ぎとして町内の揉め事静めに忙しくしていた。
そんな時、屋敷の玄関に現れた娘が「縁談相手」と名乗った。

 幼馴染3人組で相変わらずの麻之助だったが、今回は自分の縁談に振り回される羽目になる。
さらに揉め事もそれに絡めて起こるため、麻之介はそろそろ逃げられなくなってきた。
揉め事のそれぞれの種明かしは、わずかなヒントしか出てこないため、いつも判決の場まで推察できない。
そのため推理は難しいが、もめ事の関係者という立場で聞いているような感じで気楽に参加できる。麻之助の相手も決まり、先行きが気になってきた。

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かわたれどき [ 畠中 恵 ]
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