女子的生活


2016年10月20日 読了
 なかなかブラックなアパレルの会社で働きながら、おしゃれで女子感満載の生活を満喫するみき。
でも周りには、ほっといてくれれば迷惑かけずにいるのに、いちいちわざわざ絡んでくる奴がいっぱい。
そんなムカつく奴らと闘いながら、ガシガシと進むみきの東京生活。

 悪態をどっさりついて、寄ってくるバカたちと闘うみき。
最初は悪口ばかりの本ならうんざりと思っていたけど、ぽんぽん出てくる悪態がいちいち同感できて、「怒りを燃料にできるタイプ」のみきがうらやましくなる。
 日常のコミュニケーションでちょっとカチンときたり、引っかかりを覚えたり、言い返したいけど言葉が見つからなかったり、後で思いかえすと「あれは嫌味だったのかなぁ」と思うようなことが、なんか全部一気にすっきりした感じ。

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St.ルーピーズ


2016年09月30日 読了
 家の事情で格安物件を探していた主人公の聖央大学理工学部応用物理学科のビンボー1年生・二神雫。
食堂で見つけたチラシを頼りに、超常現象研究サークル「SL&S」に入会しようと面接を受ける。
しかしそこは、“St.ルーピーズ・サナトリウム(聖なる愚か者の療養所)”と噂されるサークルで、その結果雫は不思議現象に立ち向かうはめになる。

 ミステリーのようだけど理論的で、推理のようだけどヒントはなく、ただ謎解き編を読み進むしかない。
でも個性的な登場人物と先端技術が合わさり、なんとなく納得させられる。
そんな技があったのかと次の時代への期待が沸き起こる。

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ペテロの葬列 上


2016年09月22日 読了
 ある日、園田編集長と一緒に向かった取材の帰りに乗ったバスで、バスジャックに遭遇する杉村。
犯人の自殺という結果で終わったその事件が、一緒に人質になった者たちの団結を強め、さらにそのまま終われない違和感を残した。

 杉村シリーズ。
あっけない事件かと思っていたら、園田編集長の過去が語られ始めたころから急にスピード感が増す。
全く見えてこない慰謝料の出どころと犯人の出した3人の名前が興味をそそる。

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西一番街ブラックバイト 池袋ウエストゲートパークXII


2016年09月10日 読了
 今度の依頼はユーチューバ―と、いい加減な整形をされて顔が崩れた女たち、さらには心も体も壊すブラック企業。

 G-ボーイズのキングであるタカシが、久しぶりに自分で戦う。
そして唯一心を許せるマコトの家で、わずかな時間安らぐ様子がほっとさせる。
久しぶりに出たシリーズだけど、変わってなくて安心した。

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俗・偽恋愛小説家


2016年08月27日 読了
 自称「偽恋愛小説家」の夢宮宇多と、新米編集者の月子。
夢宮の物語の解釈にいつも驚かされ、感心し、惹かれてきた月子が、幼馴染のお兄ちゃんと再会して求愛されたために揺れ動く。

 わがままな夢宮に振り回されながらも、いつも頭から離れない月子がかわいい。
誰もが知るおとぎ話を、書かれた時代の背景を元に解釈しなおす夢宮の語り口は、黒猫シリーズに重なって、新鮮な驚きがある。
風刺だったり戒めだったりする昔ばなしは、色んな意味を含んでいて、それはきっととても分かりにくい。

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焦茶色のパステル


2016年08月21日 読了
 江戸川乱歩賞受賞作。デビュー作。
東北の牧場で、競馬評論家・大友隆一とその牧場長が銃殺される。
大友の妻である香苗は、馬の事は全く分からないが、夫の行動に不信を持ち、友人の芙美子と共に事件を調べ始める。

 競馬の事はさっぱりわからないが、関心がなくても十分楽しめた。
有名な「クラインの壺」よりもこちらのほうがおもしろい。
王道のミステリーといった感じで、遺伝子の仕組みを思い出し、ちょっとした知識欲も刺激される。

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スパイは楽園に戯れる


2016年08月10日 読了
 情報分析員の葉山隆は、ある男の情報を調査を始める。
その男は、ある国の指導者の息子だという噂。そしてその彼が亡命を希望しているという噂。

 調査を進め、真実に近づいていくほどに、有望な政治家の人生が削られ、崩されていくことになった。。
情報が何よりの宝となる人たちが、伝説となった人物の残した遺産を探り出す。スパイたちの仕事。
 最後は悲しく、暖かく、でもうすら寒い何かにまとわりつかれる。

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起き姫 口入れ屋のおんな


2016年08月05日 読了
 浮気のあげく子まで作った夫とどうにか縁を切ったおこう。
実家に戻ると兄嫁に身代を根こそぎとられ、もめ事にうんざりしてふと思い出した乳母のところへ向かう。
口入屋をしているという乳母のおとわは病に伏していた。
おこうはその「三春屋」という口入屋に雇ってもらい、おとわの看病をしながら仕事を覚え、やがて2代目となる。

 いきなり身を切るような辛い場面から始まる。
行き場がなくたどり着いた「三春屋」だが、そこでおこうは生きる力を取り戻す。
口入屋にやってくる色んな客やご近所さんが個性豊かで、幸せな結末にほっこりする。

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図書館の殺人


2016年07月23日 読了
 期末試験中の風ヶ丘高校。試験勉強をしようと学校最寄りの風ヶ丘図書館に向かった袴田柚乃は、そこで殺人事件が起こったことを知る。
アドバイザーとして警察に協力しているヘンタイの裏染天馬と、いつものメンバー。

 頭がいいけどオタクな裏染が、今回もいい推理といい変態行為を起こしている。
試験と共に進む意味があまりなさそうだと思っていたけど、事件と関係ないところでするりと繋がっていき、意地悪な級友にさりげなく仕返しをしていたりと、細かいところも見逃せない。
他人に興味がなさそうな裏染なのに、大きなショックを受けた女の子にやさしかったり、中学で家出を決意したり、近寄りたくないけど見ていたい希少動物のような人物で面白い。
次作では家出の原因がわかるかな。

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夢の猫 古道具屋 皆塵堂


2016年07月21日 読了
 父が亡くなり、謝金を返すために家財道具を売り払ってしまうと、残すは父が集めていた根付のみ。ところが、それを売りに行く前日に必ず後ろ足の先だけ白い黒猫の夢を見るというおきみ。
その猫のせいでどこも断られ、最後は皆塵堂にやってきた。
足りない分は身を売ることになるおきみに、皆塵堂の主人・伊平次は一計を案じる。

 皆塵堂にまた新たな居候。
今までの居候もあちこちに登場し、賑やかになる。
たくさんの猫が出てきて、それだけで癒されるうえ、個性豊かな登場人物が変わってなくて安心する。

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