2010年03月15日 読了
みんなの顔が「のっぺらぼう」に見える。
息子がそう言った時、父は思い出した。
兄に、会わなきゃ。
20年も姿を隠していた兄。その兄が語る「あちら側」と「こちら側」の人たちの話。
昔の日本の、ちょっと変わった町で起こった出来事は、とてもシュール。小路作品の中ではちょっと後味が薄いけれど、兄の語る口調が優しいので最後まで穏やかだった。
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読書と編み物の記録
2010年03月15日 読了
みんなの顔が「のっぺらぼう」に見える。
息子がそう言った時、父は思い出した。
兄に、会わなきゃ。
20年も姿を隠していた兄。その兄が語る「あちら側」と「こちら側」の人たちの話。
昔の日本の、ちょっと変わった町で起こった出来事は、とてもシュール。小路作品の中ではちょっと後味が薄いけれど、兄の語る口調が優しいので最後まで穏やかだった。
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2010年03月13日 読了
内閣情報調査室の磯貝調査官は視察で沖縄を訪れた。
そこから広がる知事補佐官との出会い、アメリカ海兵隊の少佐、そして台湾マフィア。
沖縄の、本土やアメリカに対する意識を根底にした、あらゆるものへの駆け引き。
もちろん最後は大事となり、鮮やかな見せ場もあるため2時間ドラマ並みに盛り上がる。
タイトル通りの熱い風一陣といった感じ。
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2010年03月12日 読了
フランス菓子店で働く新人。ある朝、出勤するとそこには、見事な技で飴細工を作る一人の見知らぬ男性がいた。
自分についての記憶をなくし、ここは自分の店だと言い張る男・恭也。彼は誰!
恋愛小説かと思ったらそうではなく、終始彼の記憶とフランス菓子の話で進む。恭也は主要人物として魅力的だけど、主人公の夏織はちっとも魅力的じゃない。
菓子作りの描写が要所要所にあるから、想像がいくらでも膨らむ。でも専門用語がわからないのでどんなものかは全くの妄想。。。
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2010年03月07日 読了
F-15イーグルのパイロット辰巳彰一尉。黒い雲に吸い込まれたと思った直後、気付いたらF-51オラクルと呼ばれる機体を操縦していた。
上空のコックピットの中で突然30年の月日が流れる。
様々な伏線が広がり、どこで繋がるかどう収束するかと思い読んでいたら、残り30ページとなるまで山場が来ない。なんだか投げ出されたような終わり方で少しも納得いかない。
中途半端のまま置き去りにされた出来事もあって、エピローグがそのまま抜け落ちたよう。
空での攻防はかなり丁寧に書いてあるのに、ストーリーとしては雑すぎてテスト飛行のシュミレーションを見させられただけといった感じ。
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2010年03月06日 読了
3件の同時バスジャック事件発生。警視庁の隠密捜査専門のバイク部隊「トカゲ」に出動命令が下った。
リアルタイムで報告されるネット掲示板と投票サイト。
事件はトカゲの追跡と新聞記者の執着で語られ、少しずつ見えてくる。
実際は、ネットという媒体と犯行声明も要求もない事件だという点ですでに結果は悟られてくる。でも事件そのものや逮捕劇などより、追う者の心の中を楽しむ小説。
ただ気になるのは、漢字の表記。
「ひじょう(非常)」や「ばあい(場合)」がひらがなで書かれている所があるのはわざと?誤記?
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2010年03月04日 読了
真田と同じ「山の民」。孤独だった真田と同じルーツを持つ人がいた!
でも彼は「新人類委員会」のメンバーであることがわかり・・・。
どんなピンチでも必ず勝つヒーローもののシリーズ。
でも今回はどうも次へ続く「つなぎ」的な話の模様。
中だるみ?
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2010年02月28日 読了
日本語学校の先生が、外国人の生徒たちと日々繰り広げる誤解と笑い。
生まれて此の方、ほとんど日本語しか使えたことのない私でもやっぱり知らない言葉は多くて、、、。
そんな日本語が、「こんな発想もできたのか!」と思うような驚きでいっぱいになる本。
こうゆう「勉強」ならちょっとは知識になるかなー。でもやっぱり普段使わない言葉はすぐ忘れちゃうんだろうな・・・。
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2010年02月22日 読了
前作で活躍した田口・白鳥ペアが、入院患者の父の殺人の謎を解く。
前作のように最初から事件は起こらない。そして白鳥も登場するのはちょうど半分まで来た頃。
いろいろと酷評されているけれど、普通のミステリとしては充分だと思う。前作のインパクトに押されて印象が薄いせいか。
前作はどちらかというとドラマの方が好みな私は、小説ではバチスタよりもこちらの方が面白かった。
登場人物が多いのは病院だからしょうがない。
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2010年02月19日 読了
高校1年のチカと、妙に整った顔立ちの幼馴染ハルタ。
二人が学校で起こるいくつかの謎を追う。
良くも悪くも学園ミステリ。中高生向けか。
謎も、時々チカによって語られる描写も、なかなか面白いのだけれど、どうも結末が弱い。
アニメ感覚で情景が浮かぶ。
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2010年02月15日 読了
病気の母に見せようと、古い写真を探していた。そこで見つけた一通の遺言書。そこには自殺した画家の愛があった。
『このミス』大賞受賞作家の第2弾。絵画をめぐるサスペンス。
柳原慧の作品にしてはちょっと普通な流れだった。もっと、「いかさま師」というタイトルからにじみ出るような、うすら寒い空気を待っていたのだけれど。。。
トリックはおよそ想像される可能性の内に収まり、専門的な解説がなかったらただの巻き込まれ小説で終わっていた。
なんだか納得いかないままうまくおさまって終わった。
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