ウエストウイング


2015年11月02日 読了
 交通の便が悪く、古いために家賃が安いだけが取り柄のビルに入っている会社やテナントに出入りする人たちの、メモによる交流。
 雑用に追われる事務職のネゴロ、いやいや通わされている塾の生徒であるヒロシ、退屈な毎日だと感じている20代のサラリーマン・フカボリ。

 毎日のちょっとした不満が積み上がり、ビルの老朽化による取り壊しの話が持ち上がったり、大雨で孤立したり、散々なことが起こるがすべて平坦に語られるため危機感はない。
そのため退屈で盛り上がりもなかった。

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セント・イージス号の武勲


2015年10月31日 読了
 天涯孤独の少年・トビーは、食堂の主に買われてひどい待遇で働かされていた時、仲間に誘われて軍隊に入る。そこで軍艦に乗ったトビーは戦で供を失い、漂流しているところをセント・イージス号に拾われた。
 セント・イージス号では、何もかもが初めての体験だった。
人間らしい扱い、望めば与えられる教育。そしてセント・イージス号の秘密。

 トビーが学びによってどんどん変わり、自分の意志と目標を持ち始め、不思議な海の生き物を操る少女に魅かれていく。前半の暗い様子とは打って変わり、セント・イージス号にかかわる者たちの充実感が力強くて気持ちがいい。

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開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―


2015年10月25日 読了
 18世紀のロンドン。外科医ダニエルの研究室に、いつの間にか現れた死体が二つ。
盲目の治安検事は事件としてダニエルに協力を要請する。

 医者と言えば内科医で、崇められる立場であるのに対し、外科医は悪魔の所業として偏見にさらされていた時代。解剖により人体の疑問を解き、死者が遭遇した出来事を探ろうとするダニエルは、研究者ゆえに政治力はなく、資金はすべて兄に頼っていたのだが、この事件で兄に疑惑が向き、狼狽えてしまう。

 時に時間が前後し、入り乱れるように進むが混乱はない。
無知と偏見によって様々な悲劇が起こり、証言だけで証拠がないため解らないままの事も出てくるが、それもまたそんなものだと思わせる。

リストランテ アモーレ


2015年10月20日 読了
 イケメンで料理も女あしらいも上手い弟の杏二と、さして美人とは言えないが普通の容姿の姉・偲が二人で営むリストランテ。

 店に来る女性客にはたいてい手を出している弟は、それでもなぜか揉め事にはあまり当たらない得な性分。
小さないい雰囲気の店らしいけど、行ってみたいとは思えなかった。
間にいくつか話が抜けているのかと思ったくらい中途半端に話が飛び、都合よく事は収まるし、最終話は余計なつけたしにしか思えず、後味の悪さだけが残る。

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ばけもの好む中将 四 踊る大菩薩寺院


2015年10月18日 読了

 怪異を好む中条・宣能につき合わされ、散々怖い目に合いながらも断れない宗孝。
今度は宗孝の五の姉が大きく関わる。

 学者に嫁いだ五の姉は、夫婦で発明品を作っては皆を助けていたが、その発明品を夜な夜な試す十一の姉・小宰相と、さらにその小宰相が仕える八の姉の懐妊に伴い加持祈祷をした僧とが入り乱れ、話がややこしくなる。
様々な出来事のすべてに五の姉とその夫の発明品が顔を出し、アクション要素までもが盛り込まれた。
でも恐ろしい場面がなぜか和んでしまうのは、宣能と宗孝の所々かみ合わない会話のせいか。新しい登場人物も加わり、あと何人の姉が待っているのかと思うととても楽しみ。