名探偵の証明


2013年12月19日 読了
 かつて名探偵と言われた男が、体も思考も衰えて荒んだ生活をしていた。
そこへ、相棒だった元刑事が、アイドル探偵として人気のある若手の探偵と一緒に再起をかけたネタを持ち込む。

 第23回鮎川哲也賞受賞作。
わりとすんなり選ばれた作品のようだけど、どうも起こる事件のすべてがチャチ。
それくらいのことで感銘をうけた?そんなことで犯人が自白する?
すべてがちょっとづつ的外れなのに大げさで、しらけてしまう。
おかしな構成のせいで、そもそも流れに乗れない。

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オーリエラントの魔道師たち


2013年12月17日 読了
 ある帝国で、ある国で、様々な魔法が生まれる。
紐を結び、その結び目の違いや長さや色を変えることで効果が変わったり、死体を使うものや言葉を綴るものなど、いろいろな魔法を短編で見せてくれる。

 一番初めの「紐結びの魔道師」が一番興味深かった。
 魔法を使う魔道師たちの話は、どうやら続くらしい。
とても楽しみ。

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柿のへた 御薬園同心 水上草介


2013年12月15日 読了
 幕府の施設の小石川御薬園で、植物の管理をし、薬草を育てている水上草介。
どうも人より鈍いらしく、何をするにも一呼吸遅れているが、植物に関してはかなりの知識を持つ。
 剣術道場に通う千歳や薬園の仲間と共に、薬園やその周りで起こる揉め事をやんわり解決する。

 穏やかでのんびり屋というか、のんきな草介。
それでも植物を観察している目は確かで、その目で人や揉め事も見定める。
出てくる花や植物のことも詳しく書いてあり、ちょっとした博士になった気分。
すべてが優しさで終わり、読み終えた後にほっとする。

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あずかりやさん


2013年12月13日 読了
 商店街の一番奥、店なのか店じゃないのか、開いてるのか開いていないのか、知らないと通り過ぎてしまうようなところに、「あずかりやさん」はある。
 あずかってと言われたものをあずかり、一日百円。ただあずかる。客が持ってくるものはいろいろで、その中にはいろんな人生がある。

 一人きりの店主が、ただゆっくりと穏やかに本を読む。
穏やかなその情景が目に浮かぶ。
辛い日々でもいつか癒され、変わっていく様子が描かれていて安心する。

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忘れ村のイェンと深海の犬


2013年12月12日 読了
 貧しい村に生まれたイェンは、女英雄として後世に語られることになる。

 キノコが特産のその村は、いつでも暗く、湿っぽい。
そこで生きる娘・イェンは小さなころから活発で、周りをハラハラさせていた。そんなイェンがある日、入り江で白くてふわふわの生き物を拾う。

 最初は読みにくくて時間がかかったけど、世界観を把握してしまってからは早かった。
シェールと名づけられたその生き物と、イェンの人生の、ほんの最初だけの物語。
読むにつれどんどん興味が湧いていく話だった。

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いまはむかし―竹取異聞


2013年12月11日 読了
 都では有名な武官の家の息子である17歳の弥吹は、武官を継ぐことを嫌がり、家でをする。
当てもなく旅をする弥吹と、彼を追ってきた幼馴染の朝香は、ある里で不思議な2人の少年と出会う。

 竹取物語がどんなふうに進むのか。
道中出会う人たちはどんな役となるのか。
サクサク読めて、話もサクサク進み、最後はきれいにまとまる。
こんな勇ましいかぐや姫もいい。

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古手屋喜十 為事覚え


2013年12月09日 読了
 古手(古着)屋をしている喜十のところには、なにかと都合よく喜十を使う北町奉行所隠密廻り同心の上遠野平蔵が今日もやってくる。
ある日不自然なほどの量の血がついた着物を持ち込んできて、事情を知っている人を探せと言う。

 上遠野に使われ、ろくに銭ももらえない喜十がしぶい顔をしても、妻はにこにこ。
そんな二人の様子は微笑ましいが、上遠野と喜十のやりとりはあまり気持ちのいいものではない。
上遠野への喜十の思いのマイナスな雰囲気にこちらも気持ちを引きずられてしまう。
連作のようなので、今後二人の関係がどうなるのかは少し楽しみだ。

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こちら警視庁美術犯罪捜査班


2013年12月07日 読了
 美術品にはさっぱり興味がなかった新米刑事の三田村豪気が配属されたのは警視庁捜査二課美術犯罪捜査班。
美人の上司と二人きりの班だが、犯罪すれすれのセールスをしている美術品販売会社をさぐる。

 変わった専門をもつ警察組織の話として美術品を扱う小さな部署。
目を付けた会社の社長は上司とかかわりのある人物で。

 専門的な話はおもしろいけど、かなり意図的に変えてある部分もあって、どこまでが本当か調べるのもおもしろい。

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あやかし草子 みやこのおはなし


2013年12月07日 読了
 京都に伝わる昔話。あやかしに惑わされ、呑まれ、助けられる。
人と関わることであやかし達も様々な感情を知る。

 龍や座敷童など、良く知っているもの達と人間の物語で、幸せなものばかりではないけど懐かしいぬくもりがある。

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あやかし草子 みやこのおはなし [ 千早茜 ]
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蔵盗み 古道具屋 皆塵堂


2013年12月06日 読了
 15年務めてきた小間物問屋を、濡れ衣を着せられて首になった益治郎。恨みを募らせる益治郎は、甚左という名うての盗人に声をかけられる。
その甚左から、ある店に奉公に入り内情を探れと言われてもぐりこんだところは、店のなかはガラクタでいっぱいの汚い古道具屋だった。

 皆塵堂に新しい働き手がきた。
なぜか店で一番えらい猫と、裏表の激しい小僧、そして今まで皆塵堂で働いてきた人たち。
全部入り混じってまたおかしな事が起こる。

 それでも最後はきっちり収まるところに収まり、気持ちよく読み終えた。

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蔵盗み 古道具屋皆塵堂 [ 輪渡颯介 ]
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